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デコイ 囮鳥/迷鳥 英田サキ ill.奈良千春
評価:
英田 サキ
大洋図書
¥ 903
(2008-08-28)
4813011772デコイ 迷鳥 (SHY NOVELS 209)
奈良 千春 大洋図書
2008-09-05

by G-Tools


苦手だ苦手だと言いながら買い続けてしまう英田作品。
このボーイズラブ界で燃える作品、
男同士の魂のぶつかり合う作品を書いてくれる
貴重な作家さんだからだろうなぁ。
表紙、設定、あらすじに毎回ふらふら引寄せられてしまいます。

そして、今回は純粋に面白かったです…!
深夜から未明にかけて下巻まで一気読みしてしまいました。
W主人公、4人の男たちが織り成す狂喜と憎しみと愛に
興奮でゾクゾクしながら読んでいました。
このスリルがたまらん…!ぴのこ:)

※ネタバレ注意です。

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殺し屋×記憶喪失の男(刑事)。
ヤクザ×ヤクザ。

Wカップリングで進行する今作品、
初めは後者の掛け替えのない相棒ながら
その片割れに惹かれてしまったジレンマに葛藤する二人に悶えましたが
下巻に入ると一気に前者の二人にのめり込んでしまいました。

記憶喪失で過去を失った安見の元に残る人殺しの事実。
恐怖に怯える自分に無償の愛を注ぐ殺し屋火野に溺れ
ただひたすらペットのように愛玩されることでしか救いを見出せません。
そして、愛してしまう。

けれど、取り戻した現実はあまりにも残酷で。
火野は両親を奪い、自分の人生を狂わせた最も憎むべき男でした。
そして、安見は正義と復讐を胸に囮調査を願い出た警官。
潜入捜査で火野に近付き、抱かれるうちに
火野への憎しみとそして生まれてしまった愛に苦悩する日々、
それが安見が失っていた記憶でした。

両親を殺した相手を愛してしまった苦しみ、
警官でありながら憎しみに負け、人を殺してしまった恐怖、
唯一の居場所がその憎い男の傍しかないと悟った絶望。
記憶を回復させると同時にただ火野に従順であった男が
憎しみを甦らせ、火野に反抗する気概を奮わせるながらも
その絶望に堕ち、苦しみ悶える姿にかつてないほど興奮を味わいました。
本当にゾクゾクする。

愛してるといい続け、ただただ優しく甘い態度をくれた殺し屋が
25年前に両親を奪い、そして今度は自分に人殺しを唆していた。
彼の愛に縋るしか術をしらないように躾けられたはずがその愛すら偽物。
自分を狩るために身体を使って誘ってきた警官を
弄び、そしてその遊びがたまらなく楽しいことを覚え、
ペットが可愛くて仕方なくなっただけ。

愛している――。その言葉は最近のお気に入りだった。

少しずつ暴かれる火野の狂気が怖すぎて、面白い。
けれど、安見への執着は本物で。
憎しみと愛が絡み合った歪で脆い関係性、
その関係に依存しながらも足掻きをやめられない男たちに
ずっぽりはまってしまいました。悲しいのにゾクゾクする。

ヤクザ同士のカップリングはエスの二人に似ているなぁと。
那岐の自己完結で進展したり、後退したり。
設定は燃えて萌えるんですが、話が読めてしまう分、
もう一方の二人に興味が移ってしまいました。
でも、エロシーンになると神がかる。

「ああ。……でもその前に、俺を抱いてくれないか」
加賀谷は全くの無反応だった。気まずいムードが漂う。
「もしかして、露骨すぎて引いたか」


レイプのトラウマに怯えていた那岐に
こう言わせてしまうのが英田さんだなと。
今まで逃げまくっていたはずの強気誘い受けに
翻弄されまくるムッツリスケベ眼鏡を十二分に堪能致しました。

エスのスピンオフということですが、
登場人物はおまけ程度かなぁ。
お兄ちゃんが頑張ってくれていました。
英田さんの挿絵は見るたびに目つきが凶悪になってる気がしないのですが
それでも、やっぱり魅力的な絵を描いてくださる方です。
P.179の火野を拒めない安見に悶絶しました。

回想の挟まり方などで少しテンポが悪いと感じるところもあったので
私的にW主人公より火野×安見をもっと濃厚に書いた方が
作品としてもっとスリルと興奮があったかなぁと思うのですが
ただ好みが出てるだけ……な気がしないでもないです。
でも、十分楽しみました。
久しぶりに燃えに酔いしれてめちゃくちゃ気持ちよかったです。
[BL小説]英田サキ | 15:32 | comments(0) | trackbacks(0)
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