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世界の果てで待っていて ~天使の傷跡~  高遠琉加 ill.雪舟薫
高遠さんの作品の中で一番好きになったと思う。
うん、でも、高遠作品内だけじゃなくて
今まで読んだBL小説でもトップレベルに入るほど
大好きになってしまったのだけれど。

拍手する
深海の底にいるような静かな切なさに身体が押し潰されそうだけど、
一筋だけ差し込む日の光がすごく温かくて泣きそうになる。
抽象的過ぎて申し訳ないのですが、
冒頭から本当に高遠さんが描くこの漂う水の底にいるような
文章世界に引き釣り込まれて抜け出せなかったんです。

探偵×刑事。

煽りの「残り数カ月の余命だったら−」を見て
死にネタかと避けていたのですが、違うんですね。
命の儚さとその脆いひとの中に潜む静かで、でもとても熱い想いがテーマだけれど
主人公二人が病気を患ってるわけじゃない。
でも、彼らもその体の中にそれぞれ表出が許されていない、けれど、
決して譲れないものを抱えているんです。

元刑事現探偵のそれは、
想いの届かない愛しい相手を傍でずっと守ろうという覚悟であったり、
現刑事のそれは、
唯一無二の相棒の想いを受け入れられなくとも
彼の隠された脆さを傍でずっと見守り抜こうというものであったり。

この関係性が探偵×現刑事と私の大好物設定で繰り広げられていて、
しかも壊れかけた探偵の傍にいるために重ねた一度切りのセックスを
なかったものとして成り立っているのが、
今の一見とても心地よく見える、危うい均衡で。

なんというか、もう……はまらないはずがありません。

お互いに危うさを持っているのだけれど、自己完結する強さも持っているんです。
だから、へたれ攻め×ツンデレ受けじゃないんですよね。
自ら二度と手を出さずに傍にいる覚悟をした攻めの頑なさと、
支えたいのに心の距離を置かれて苦しむ受けのやり切れなさが痛い。

凍らせた心を持った探偵がずっと笑顔を見せているから余計に辛い。
へらへらしている男がふと見せる苦笑いや泣き笑いが
たまらなく切なくて愛しくなってしまう。

BLとしてはまだHAPPYENDではないけれど、
続編がなくても構わないかな、と少し思います。
だって、たった一度だけど彼のために男に犯されるのを甘んじて、
しかも初めてのその行為は精神的にも肉体的にもとても痛々しいもので。
それでもまだ守ろうと傍に居続けることを選んだ刑事の想いは、
愛という言葉でくくれなくても
相手を求める一生涯もの掛け替えのない感情だと思うので。
充分この一冊で彼らが貫こうとしている想いは本当に痛いほど伝わってくる。

まぁ、私が、この探偵の想いに喰いつぶされそうな
痛みしか生み出さないセックスにただ耐える刑事が
もらした泣き喘ぐ様に激しく悶えたのは余談として。

でも、続編があって甘い恋人ENDが用意されてるならば
読みたいのは正直なところで。
高遠さんか雪舟さんか律速段階がどちらかわかりませんか、
挿絵の影響ならば、もう十分高遠さんの文章が綺麗な世界を作り上げているので
続編はなくても問題ない気がします。
その世界を一層魅力的に見せてくれる雪舟さんの挿絵が
あるのに越したことはありませんし、
実際雪舟さんの描かれた探偵と刑事は彼らの魅力を
余すことなく見せて下さってると思いますが。


本当に面白い作品でした。
最近BLCDを聞く時間の方が多くなってきていましたが
音の無い文字だけの静謐な、でも、とても深い文字世界の魅力に
改めて、前より一層濃厚に、獲りつかれてしまったような気がします。



「……同情か?」
唇を離すと怒ったような、怯えたような低い声が言った。
「……よく、わからない」


「……頭のいい奴だと思っていたけど、意外に馬鹿なんだな」
口調は笑っていて、でも語尾が泣きそうに滲んだ。
[BL小説]高遠琉加(春加) | 18:32 | comments(2) | trackbacks(0)
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- | 18:32 | - | -
ぷりさん、こんばんは(^-^)
私もこの作品好きです!高遠作品で一番好き(エチがほとんどなくても全然問題なし)。
モノクロ作品のような渋さや、静かな緩やかな時間の過ぎ方(それがかえって心の痛みを感じさせる)…。
続編は雪舟さんの挿絵待ちじゃないかと思うけど、挿絵なくてもいいから早く読みたい気がする反面、確かにあれで終わりでもそれはそれで…な気もします。
| まるあ | 2008/05/13 9:27 PM |
まるあさん、こんばんは!
お返事遅くなってごめんなさい。

この作品本当に大好きになってしまいましたよ…!
続き物と今まで読んでなかったのが悔やまれてまりません。
そうなんですよ〜。静かに時間が流れているけど、その奥には癒されない傷があって…。
もう切ないけれど、その淡々とした空気感も心地よくって、複雑な思いが入り混じりでしたけれど、とにかく読み終わった後は好きだなぁと。

こういう恋愛にはいけないけれど唯一無二の関係もありだなぁと思うので
続編をどうしても出して欲しいという訳でもないのですが、
やっぱり挿絵でしょうか…?
なら、本当になくてもかまわないんですけれどねぇ。
高遠さんでしたら文章だけで十分魅力あると思いますし、
むしろ雪舟さんの絵が妄想で想い描けるぐらいには二人にはまってますし。
でも、違う挿絵ってだけは避けたいかもしれません…。
| ぷり | 2008/05/15 10:43 PM |
It comments.









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