素直じゃねぇな 英田サキ ill.桜城やや
2008.01.21 Monday | author : ぷり
別に彼女の評価が低い訳ではありません。
エスも合わない部分が多くても是でも否でも
心に熱い何かを伝えてくれる作品だったと思います。
ここ最近、彼女のハードボイルドに見え隠れする作品たちに気が散ってしまい、
高評価のDEADシリーズやヤクザものを敢えて避けて読んでみよう、
とこっそり開拓中だったのですが。
実際、「バカな犬ほど可愛くて」はまだ感想かけていないけれど
文章もストーリーも大のお気に入りで、好きになれてよかった、
と一人で喜んでいたところでした。
けれど、これはひどかった。
退屈だというより何一つ英田サキの魅力が見えてこないことが耐え難かったです。
danger:近所のR18インドカレー並に辛いです。
これ、ホントに英田さん?
と思わずにはいられないほど全く面白味がありませんでした。
ストーリーも文章も酷い。中学生の作文並にすら思えました。
こんな文章書く方でしたか?
「バカな犬ほど可愛くて」ではむしろ私が苦手な一人称進行を
お得意の台詞回しに英田節を利かせて非常に楽しく読ませてもらったのに。
素で引きました。
視点変更の構成の仕方がまずいのか、恋の駆け引きはドキドキせず
期待のエロもごく普通。
予想通り過ぎるストーカー、監禁の流れにもスリルは無し。
リブレに指定されたかのような、分かりやすく軽い文章と華奢な美少年。
杞憂でしかないのかもしれませんが、
英田さん自身が楽しんで書いているというより書かされている気がしてならなかった。
当て馬の相棒、相羽だけがやたらと魅力的で。
むしろ彼を主人公にして叶わぬ恋を必死で抑えながら
傍に居続けるために優秀な後輩を演じるクールビューティーの
悲恋物語にした方がよっぽど英田さんらしく仕上がったのでは。
彼の描写はとても生き生きとして面白かったです。
何だかんだ言って私は英田さんに期待するものが大きいんだと
今回、思い知りました。
手に取る機会は少ないけれど面白いものを魅せてくれるとどこかで信じている。
名前も知らない他の作家さんであれば
「ふーん」と記憶にも残らず、感想も上げなかったはずです。
でも彼女はそんな何も残らない作品を生み出す作家ではないと思うんですよね。
It comments.
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